歯周病とは
歯周病は、虫歯と並んで歯科の二大疾患とされ、歯を失う原因の第一位とされています。
歯周病の進行を防ぐためには、早期発見と早期治療が非常に重要です。しかし、歯周病は初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが多いため、定期的な歯科検診やセルフチェックが大切です。
歯周病は、歯ぐきの感染症であり、基本的には歯周病菌が直接炎症を引き起こすわけではありません。実際には、歯周病菌が歯ぐきに存在すると、それに対して身体の免疫反応が過剰に働くことで炎症が生じます。この免疫反応が、歯ぐきを赤く腫れさせ、出血を引き起こすことが特徴です。
歯科医院での定期的なチェックにより、歯周病の兆候を早期に発見し、適切な治療を行うことで、歯を失わず健康な口腔環境を保ちましょう。


セルフチェックのポイント
- ・歯磨き時に歯ぐきから血が出る。
- ・歯ぐきが赤く腫れている、または歯ぐきのラインが下がってきている。
- ・口臭が気になる。
- ・歯がぐらつく、またはかみ合わせに変化を感じる。
これらの症状が見られる場合は、早めに歯科医院で診てもらうことをおすすめします。
秋葉原小柳デンタルクリニック
歯周病治療の特徴
診断・検査
基本治療
再生治療
集中治療
予防・再発防止
①診断・検査
当院では、歯周病の早期発見と進行具合の正確な把握を目的として、プロービング検査、レントゲン撮影、歯科用CTなどを駆使して精密に診断を行っています。
定期的な検診と合わせて、これらの検査を受けることで、歯周病の進行を防ぎ、健康な歯を長く維持することができます。
歯周病に関して不安がある方は、ぜひご相談ください。

②基本治療
歯周病の予防と改善において、最も基本的で重要なことは、お口の中の歯垢(プラーク)や歯石を取り除くことです。歯垢には、わずか1mgの中に1億個以上の細菌が含まれていると言われています。これらの細菌が歯ぐきに炎症を引き起こし、歯周病の原因となります。歯垢を放置していると、細菌が繁殖し続け、歯周病の進行につながるため、早期に取り除くことが非常に重要です。
定期的に歯科医院でクリーニングを受けることと、日々のセルフケアを徹底することが、健康な歯と歯ぐきを維持するための鍵となります。

③再生治療
エムドゲイン法
歯周病が進行すると、歯ぐきや歯を支える骨が溶けてしまうことがあります。エムドゲイン法は、その進行した歯周病に対して、歯周組織の再生を促進する治療法の一つです。
具体的には、歯周外科手術で患部の歯ぐきを切開し、その部分にエムドゲインゲルを塗布することで、歯槽骨や歯ぐきの回復を図ります。
エムドゲインゲルはスウェーデンで開発されたもので、エナメルタンパクや成長因子が含まれており、歯周組織の再生を助ける効果があります。
この治療法では、歯周病が進行して骨が失われた部分に対して、再生を促すことが期待されます。しかし、効果が現れるまでには長期間の治療が必要であり、その間は歯磨き方法や患部の清潔を保つことが重要です。
ただし、治療範囲が広範囲にわたる場合や、骨の損失があまりにも進行している場合には、効果が限定的であることもあります。
また、この治療法は保険適用外の自由診療となるため、費用がかかる点も考慮する必要があります。

④集中治療
短期集中治療(FMD)
抗生剤の作用期間中に行う除菌治療は、歯周病の改善を迅速に進めるための効果的な方法です。この治療法では、1回の処置で口腔内全ての歯石や歯周病原菌を取り除き、再感染を防ぐことを目的としています。
これにより、歯周病の進行を抑制し、治療効果を高めることが期待されます。
ただし、この方法は適切なタイミングでの処置が必要であり、治療後も定期的なメンテナンスが重要です。

歯周補綴
歯周病が進行し、歯ぐきが溶けてしまうと、歯がグラグラして食事をしっかり噛むことができなくなったり、かみ合わせが悪くなることがあります。このような状況を改善するために、「歯周補綴(ししゅうほてつ)」が役立ちます。
歯周補綴は、歯周病が悪化している部分に被せ物を行い、隣接する歯と連結させることで歯を安定させ、機能を回復する方法です。これにより、歯がしっかりと固定され、グラグラした歯を安定させることができます。
また、歯周補綴を行うと同時に、歯周病治療を進めることで、歯周病自体の改善も図れます。治療を並行して行うことで、歯周病の進行を食い止め、見た目を整えながら機能的な改善を目指すことができます。
例えば、歯ぐきの状態が安定し、歯の安定性が回復することで、かみ合わせの改善や咀嚼機能の向上が期待されます。
歯周病が進行している場合でも、歯を失う前に早期に治療を行うことで、より良い結果が得られる治療法です。

歯冠長延長術
歯ぐきを切開して周囲の骨を削合し、歯ぐきの高さを下げることで歯根部分がより見えるようにする手術です。
この治療の目的は、歯周ポケットを浅くし、歯の根元部分が見えるようにすることで、歯石がたまりにくくなり、歯周病の進行を防ぐことです。さらに、歯根が見えやすくなることで、歯磨きがしやすくなり、清潔さを保つことが可能になります。
この手法は、歯周病の進行を防ぐだけでなく、進行した虫歯や歯が折れてしまった場合にも適用されることがあります。
ただし、手術後は一時的に知覚過敏が生じることがあり、露出した歯根部分は虫歯になりやすくなるため、定期的なメンテナンスが重要です。
治療には数ヶ月かかる場合があり、歯ぐきの位置が落ち着くまでには時間が必要です。
また、症状や歯の状態によっては、この手術が適用できないこともありますので、事前にしっかりと確認することが大切です。

⑤予防・再発防止
定期的な歯周ポケット検査
歯周病の治療が終わった後でも、治療は完了したわけではありません。歯周病は再発しやすい疾患であるため、治療後の継続的なメンテナンスが非常に重要です。
歯周病治療が終了した後も、定期的に歯科医院で検診やクリーニングを受けることで、再発を防ぎ、口腔内の健康を維持することができます。
定期検診では、歯科医師が歯周ポケットの深さや歯の状態をチェックし、必要に応じてクリーニングを行います。
また、クリーニングにより、歯石やプラークを取り除くことで、再感染を防ぎ、歯周病の進行を防止します。定期検診のペースについては、歯科医師が患者様の状態に合わせて適切にご提案いたしますので、定期的に通院してお口のケアを続けることが大切です。

歯科衛生士担当制
当院では、歯科衛生士担当制を採用しています。これにより、基本的に同じ歯科衛生士が継続的に歯周病治療を担当させていただきます。
担当の歯科衛生士が治療を行うことで、お口の中の変化をより細かく把握しやすくなり、治療の進捗をしっかりと確認できます。もし治療中に不安や疑問があれば、どんな些細なことでも担当の歯科衛生士にご相談ください。
患者様が安心して治療を受けられるよう、しっかりサポートさせていただきます。
